Amazon.co.jp / 青崎有吾「風ヶ丘五十円玉祭りの謎」

裏染天馬シリーズの短編集です。

タイトルに「殺人」と付いていないことからも分かりますが、今作では誰も死にません。これまでの小説レビューで、初めて、「殺人」が入っていないタイトルであるような気がする。

じゃあ何が起こるのか、というと、学生生活で出会う様々な事件です。たとえば、学食裏に食べかけの料理が置かれたトレイが放置されている理由を推理したり、花瓶を割った犯人を突き止めたり。すべて、疑いを差し挟む余地のない推理で解き明かしていきます。

登場人物の軽快な掛け合いも健在なので、とても楽しく読み進めることができます。

ただ、登場人物のバックグラウンドが分からないと楽しさが半減するため、「体育館の殺人」「水族館の殺人」の後に読むのが良いと思います。