判決の更正

民事訴訟法は、判決に誤記などの「明白な誤り」があるとき、更正の手続きによって判決を訂正することができると定めています。

(更正決定)
第二百五十七条 判決に計算違い、誤記その他これらに類する明白な誤りがあるときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、いつでも更正決定をすることができる。
2 更正決定に対しては、即時抗告をすることができる。ただし、判決に対し適法な控訴があったときは、この限りでない。

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裁判所も人間の組織なので、複数のチェックが行われるとはいえ、文字や数字を書き間違えてしまうことがあります。「てにをは」のような助詞が抜けている、ということならば問題ないのですが、桁区切りの「,」(コンマ)と小数点の「.」(ピリオド)を間違えてしまったり、数字を書き間違えてしまったような場合、判決の内容が変わってしまうことになるので、訂正が必要になります。

「明らかな間違いだったら見ればわかるじゃないか」と思うかもしれませんが、判決書を必要とするような手続き、特に役所手続きなどは、融通を利かせてくれないことが多いようです。

そのため、判決の更正という手続きが必要になるわけです。

調書の更正

民事訴訟法では、和解が記載された調書(裁判の経過を記した書類)は、確定判決と同一の効力を持つと定められています。

(和解調書等の効力)
第二百六十七条 和解又は請求の放棄若しくは認諾を調書に記載したときは、その記載は、確定判決と同一の効力を有する。

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そのため、和解調書を使って色々な手続きが行われることもあります。では、このような調書についても更正ができるのかといえば、そのことを明確に定めた規程は見当たりません。

このようなとき、どうなるのかと探してみると、中村弁護士が書いていました。

結論をいうと、
規定がないものの、調停調書についても更正は可能であり、
法的根拠は「民訴法257条1項類推」

WebLOG弁護士中村真 【役立つ!】調停調書の更正と裁判所の内情 (fc2.com)

判例タイムズに掲載されていた、裁判官の記事に書いてあるようです。