10月27日に衆議院選挙があり、与党の議席が過半数を下回ってしまいました。今後の日本の政治を考えたとき、これは最悪の結果なのではないかと感じています。これからの日本の数年間は、決めるべきことがなかなか決まらず、決まったときには様々な観点が織り込まれて別物になっている、ということが頻発するはずです。
日本が抱える諸問題に直面しながら立ち向かってきた自民党に逆風が吹いて議席を減らし、具体的な政策を掲げているわけでもない立憲民主党が大幅に議席を増やすという結果になったのは、メディアの偏向報道が原因です。そのせいで、世の中の雰囲気に流されて投票するような浮動票が、何か具体的なことを考えているのかと問われれば何も用意していないとしか考えられない立憲民主党に流れていったのだと考えています。
そもそも今回の選挙は、争点があるわけでもなく、国会議員の都合で行われたものとしかいえません。選挙期間に入ってからも、出てくる話は政治と金の話ばかり。それを決めて、国民の生活は変わるのですか、と聞きたくなります。「政権交代こそ、最大の政治改革」とか言っていますが、国民が聞きたいのは、政治改革をして何をしたいのか、です。「政権交代をして、労働者の賃上げを法律で義務付けよう」「政権交代をして、国産農作物を優遇できるようにしよう」とか、何をしたいのか言ってくれなければ、国民は選べないはずです。政治改革をして、クリーンな政治ができるようになりました、と言われても、それが何の役に立つのですか、と聞きたくなります。
橋本元大阪府知事は、お金についてクリーンでなければ、政治家は信用を得られない、という話をしており、だからこそ政治改革が必要なのだ、と訴えていました。確かにそのとおりなのですが、それは、どの政治家も必要最低限の能力を備えていて、その中から誰を選ぶか、という状況での話です。全ての議員が橋本氏のように熱意があり、挑戦を続けるような人であれば、よりクリーンな政治家を選ぶべきでしょう。
しかし、今の日本の政治家は、そんなレベルに達していません。政治家個人で見ていけば、尊敬に値するような人も多いはずです。けれども、全体として見たとき、日本の政治は国民に納得を与えるような行動をしているでしょうか。また、結果を出しているのでしょうか。国民民主党の経済政策は評判がよく、まともなことを言っているようですが、大政党の方々の言っていることは、どれも評判がよくありません。与党側は、アベノミクスを筆頭に、このままで本当に大丈夫なのか? と言われる政策ばかりを打ち出しています。野党側は、ただ批判をするだけで、どうするべきなのかという具体的な対案をひとつも示しません。(もちろん、成功していると思われる政策もあります。ただ、そのアピールが少なすぎます。自民党も、もっと自慢をすればいいのに! と思います。当の本人たちが、成果を出していると思っていないのかな? 出る杭を打つ日本人の気質が悪さをしているような気がします。)
このような状況下では、もう金に汚くてもいいから、結果を出してくれ、と言いたくなります。与党と野党の示す道がどちらも魅力的で、はたしてどちらを選ぶべきなのか、と悩んでしまうような状況においては、よりクリーンな方を選んだ方がいいよね、という話になります。しかし、どっちも大丈夫なのかと疑ってしまうような状況においては、クリーンかどうかは問題にならず、よりマシな結果になる方を選んだ方がいいよね、という話になるはずです。
結果論かもしれませんが、このタイミングでの解散はせず、実績を積み重ねて、成果をアピールしたところで解散をすべきだったのではないかと思います。それができるような自民党の内部状況ではなかった、ということなのだと思いますが。
うまくまとめられず、何の話をしているのか分からなくなってしまいました。
今回の選挙で思ったことは、やるなら徹底的にやるべきだ、ということです。中途半端は、ろくな結果になりません。