歌手が、音楽イベントの広告に生成AIが作り出した画像を使用していた、ということで、イベントへの参加を辞退したというニュースです。

生成AIについては、色々な考え方があり、どれが正しいという結論をここで出すことはできません。

しかし、個人的に残念なのは、運営側の対応です。生成AIで生成した画像を使っているからイベントに参加しません、と言われた後、すぐに画像を削除し、謝罪もしているとのことです。

生成AIを使うことに問題はない、文句を言うようなアーティストとは付き合えない! と、胸を張って言ってほしいものです。チケットの返金にも応じているということですが、アーティストが一方的に参加を拒否したものであって運営に責任はない、と毅然とした対応を取ってほしいものです。謝るくらいならば、最初から使うな、と思います。

どこかの映画で聞いたセリフですが、大いなる力には大いなる責任が伴う(With great power comes great responsibility.)のです。きちんと勉強をして、自分の主義主張というものを持ってほしいと思います。それが正しいか、間違っているかは、二の次なのです。現時点で生成AIに法的な問題は認められていないので、法的には、使っても問題ありません。今後、裁判所で著作権を侵害しているという判断が出たときや、規制するような法令ができたとき、使用を止めればよいだけの話です。

このところ、企業も政治も、事なかれ主義が蔓延しており、面白みがありません。ぶつかりながらも突き進んでいき、新しい分野を切り開いていってほしいものです。それを見守る周囲の人々も、炎上させて楽しんでいるばかりで、嘆かわしいばかりです。新しい世界を切り開く勇気や実行力が無いことを自覚して、勇気を出したことに対して敬意を表し、誠実に接するべきです。それを踏まえても、社会倫理に反していると言わざるを得ない場合は非難するべきですが、面白がって軽々しく批判することは避けなければなりません。