「十角館の殺人」に続く「館」シリーズ第二作です。
三連水車を備えた洋風の屋敷(城と言った方がいいかもしれない)を舞台に、一連の殺人事件と推理が展開されます。登場人物が揃うと、台風で水車館が外部と隔絶され、土砂崩れで逃げられなくなるのはお約束。
今作は、登場人物のキャラクター性が推理に関わってきます。そのため、すべてが明らかになった後、この登場人物は何を思っていたんだろうか、と考えてしまいました。
トリックは単純で、某有名探偵の孫である高校生の事件簿とは違い、誰にでも実現できそうな(物理的には)ものです。しかし、明かされるまで、どんなトリックを使ったのか、まったく分かりませんでした。いろいろな伏線が巧く張ってあり、変な方向に誘導されてしまいます。
話の内容に踏み込んで書けないので、ぼんやりとしたレビューで申し訳ありません…。
前作「十角館の殺人」を読んでいなくても、とくに問題ありません。今作で舞台となる水車館が、前作の舞台となった十角館と、同じ建築家によって建てられた、という程度のつながりしかありません。そのため、いきなり今作から読み始めても、そしてその後で前作を読んでも、たいした問題はありません。