裁判所のデジタル化が進んでいます。
これは弁護士業務にも大きな影響を与えるものなので、特別な対応をしなければなりません。
私も順次対応を行っているのですが、同業者の助けになればと思い、記録を残すことにしました。
GビズIDの登録
(この項目は、2026年3月6日に作成しています。)
案内メールが来るまで知らなかったのですが、デジタル庁が運用するGビズIDというものがあります。
GビズIDは、1つのID・パスワードで
https://gbiz-id.go.jp/top/
様々な行政サービスにログインできるサービスです。
最高裁判所は、TreeeSという民事裁判IT化システムの開発を進めています。TreeSでもなく、Treesでもなく、TreeeSという、一般常識上の知識をtypo(タイプミスすること)したかのように一部改変して作られた、ユーザビリティのことを全く考えていないように感じられる名前を付けている時点で、製品の品質について一抹の不安を感じるのですが、とにかく、民事裁判をデジタル化するために最高裁判所が開発を進めているシステムです。
TreeeSを利用するにはTreeeSアカウントを作成しなければならないのですが、GビズIDでアカウントを作成しておけば、本人確認などの処理を省略することができるそうです。また、法律事務所事務員のアカウントを自分で作成して設定することができるなどのメリットもあるようです。
そのため、TreeeSアカウントを作成する前に、GビズIDを作成しておく方がいいように思われます。
最高裁判所が作成したTreeeSアカウントについて説明した資料(日弁連の会員サイトで閲覧可能)を読むと、「いったんGビズIDと連携しないでユーザ登録してしまうと、途中でGビズIDと連携する方法に切り替えることはできません。」とありますので、先にGビズIDアカウントを作成しておく必要があります。
もう一度、書きます。切り替えることはできません。
おいおい、と思いますが、なんと、切り替えることはできません。
GビズIDを使わずとも、法律事務所事務員がTreeeSを利用できるようにする方法はあります。しかし、GビズIDを使う場合と使わない場合における操作の実現方法は根本から異なるようなので、まったく同じ感覚で使えるのかというと、それは異なります。つまりは、末端の現場で適切に対応しなければなりません。システムのしわ寄せを人間が始末しなければならない、ということです。何のためのデジタル化なのか? 人間が行う必要のない、事務作業的な、生産性のない処理をコンピューターに任せることがデジタル化の目的なのに、設計が大変だからという理由で、コンピューターが処理すべき事務的作業を人間に押しつけるというのは、設計として正しいのでしょうか。
愚痴を言っていても仕方がありません。TreeeSのアカウントを作る前に、まずGビズIDのアカウント(特にプライムアカウント)を作っておいた方が、選択肢を増やすことができます。先のことも検討して、連携しないという選択をするならば、それはそれで構わないと思います。GビズIDは、他の行政手続でも使うことができるようなので、作っておいても損は少ないでしょう。
GビズIDの作成は、電子証明書付のマイナンバーカードと、iPhoneなどマイナンバーカードを読み取ることのできるスマートフォンがあれば、オンラインで行うことができます。確定申告を、マイナンバーカードを使ってeTax経由で行っているならば問題ないと思ってください。