Amazon.co.jp / 青崎有吾「水族館の殺人」

体育館の殺人」の続編です。前作に続き、裏染天馬が水族館で起こった殺人事件を緻密な推理で解決します。

全体的な雰囲気も前作同様で、登場人物どうしの掛け合いが楽しく、ライトノベルのような感覚で読んでいくことができます。

前作では、一介の高校生にすぎない裏染天馬が人間関係をうまく利用しながら裏技的な方法で資料を集めて捜査を進めていきましたが、今作では、正式な(?)依頼を受けて、刑事と一緒に捜査を進めていくので、概ね、よくある探偵小説と同じような進行になっています。もっとも、天馬は刑事に協力する積極的な意欲がなく、報酬目当てで好き勝手をしているだけなので、立場は逆転しているように見えますが。

物語の途中で、天馬の妹である、裏染鏡花が登場します。兄の天馬に負けず劣らずの強烈な個性ですが、事件そのものには関わってきません。このあたり、純粋な推理だけを主眼に置く小説ではなく、世界観を持った小説を構築しようとする意識が感じられ、好感が持てます。続編を読みたくなってしまいます。

小説の構成は前作と同じで、事件発生・推理パートと、解説パートに分かれており、解説パートで初めて明らかになるような事実は全くありません。解説パートに入るまでの事実で全てを推理することができます。