当事務所の報酬基準は,以下に示すとおりです。
用語の定義
用語 | 意味 |
---|---|
事件等 | 事件または法律事務のこと。 |
実費 | 事件等の処理に要した費用のこと。例として,交通費,通信費,収入印紙代,保証金など。 |
弁護士報酬の種類
弁護士報酬は,以下の種類から構成されます。
種類 | 意義 |
---|---|
着手金 | 事件等に着手するにあたってお支払いいただく料金のこと。 |
報酬金 | 事件等の性質上,委任事務処理の結果に成功・不成功があるものについて,その成功の程度に応じてお支払いいただく料金のこと。 |
顧問料 | 契約によって継続的に行う一定の法律事務に対してお支払いいただく料金のこと。 |
時間制報酬 | 事件等を時間制によって処理した場合にお支払いいただく料金のこと。 |
手数料 | 他の種類の弁護士報酬に当てはまらない,委任事務処理その他の処理に対してお支払いいただく料金のこと。 |
支払時期について
弁護士報酬の支払時期は,以下のとおりです。
種類 | 支払時期 |
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着手金 | 事件等の依頼を受けたとき。 |
報酬金 | 事件等の処理が終了したとき。 |
実費 | 前払金は,着手金と同時。前払金がない場合または前払金を超過した場合の実費は適時。内容により事件処理中に請求させていただくこともあります。 |
ただし,依頼者に経済的資力が乏しい等特別な事情があるとき,弁護士は,弁護士報酬の支払時期を変更することができます。
支払方法について
弁護士報酬は,原則として,当事務所の指定口座に全額を振り込む方法で支払っていただきます。
法律相談の場合など,弁護士報酬が少額である場合には,現金を直接に支払うことができるものとします。事情により,個別に判断させていただきますので,必要があればご相談ください。
依頼者に経済的資力が乏しい等特別な事情があるとき,弁護士は,弁護士報酬の分割払いを認めることができます。
一般規定
ある手続に引き続いて別の手続が行われる場合の着手金
弁護士が,ある手続について依頼者から委任を受けている場合,引き続き行われる同一事件に関する手続の着手金は,既に支払われた先行事件の着手金の一定範囲(先行事件の内容や進捗に基づいて事案ごとに判断します。)を既払いとして取り扱います。
- 引き続き行われる手続の例
- 離婚調停が不調に終わって行われる離婚訴訟
- 示談交渉が決裂して行われる民事訴訟
- 引き続き行われるとはいえない手続の例
- 被疑者刑事弁護の後に行われる被告人刑事弁護
- 債務整理の後に行われる破産手続
法律相談料
法律相談の料金は,以下に示す表のとおりです。
種類 | 金額 | 内容 |
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初回市民法律相談 | 30分無料 以降30分ごとに5000円(税込) | 個人による初回の法律相談のことです。 |
一般法律相談 | 30分ごとに5000円以上(税込) | 事業者による法律相談のほか,個人による二回目以降の法律相談のことです。 特に困難な相談の場合(相談の目的を達するために特別な準備が必要なとき等)は,料金を増額する場合があります。 |
書面による鑑定 | 11万円~33万円(税込) | 弁護士が行う,書面による法律上の判断または意見の表明のことです。 |
離婚事件
離婚調停・離婚訴訟に関する事件の報酬基準は,以下に示す表のとおりです。
種類 | 着手金(税込) | 報酬(税込) |
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離婚交渉 | 16万5000円~22万円 | 16万5000円(交渉で事件が終了した場合のみ) |
離婚調停 | 22~33万円 | 22万円(調停で事件が終了した場合のみ) |
離婚訴訟 | 33~55万円 | 22~33万円 |
親権に争いがある場合 | 11万~33万円を追加 | 親権が得られたとき11~33万円を追加 |
離婚に伴う財産給付がある場合 | 見込まれる経済的利益の10%を基準とした適正額を追加 | 得られた経済的利益の10%を基準とした適正額を追加 |
出廷手当 | 1期日あたり2万2000円 ただし,調停3回分(余剰分は訴訟に繰越),訴訟3回分を着手金に含む。 |
債務整理事件
債務整理に関する事件の報酬基準は,以下に示す表のとおりです。
種類 | 着手金(税込) | 報酬(税込) |
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任意整理 | 債権者1名あたり2万2000円 | 着手金と同額 最終的な支払額が相手方請求額よりも減少した場合,その差額の10%を加算する。 相手方から過払金の返還を受けた場合,その22%を加算する。 |
個人の自己破産 | 22~33万円 | 着手金と同額 |
個人の民事再生 | 22~33万円 | 着手金と同額 |
事業者の自己破産 | 55万円以上 | 着手金と同額 |
事業者の民事再生 | 110万円以上 | 着手金と同額 |
一般民事事件
一般の民事事件(訴訟事件・非訟事件・審判事件・仲裁事件等)に関する報酬基準は,以下に示す表のとおりです。
種類 | 着手金(税別) | 報酬(税別) |
---|---|---|
一般事件 | 経済的利益の額に応じて算定 (最低10万円) | 経済的利益の額に応じて算定 |
訴訟事件 | 経済的利益の額に応じて算定 (最低20万円) | 経済的利益の額に応じて算定 |
示談交渉 | 一般事件の75%~100% (最低10万円) | 一般事件の75%~100% |
ただし,複雑な事件や,解決に多大な労力が見込まれる事件については,上に示した報酬基準を超えて,妥当な金額まで増額することがあります。
保全命令申立事件
保全命令に関する事件の報酬基準は,以下に示す表のとおりです。
着手金(税別) | 報酬(税別) |
---|---|
経済的利益の額に応じて算定 審尋・口頭弁論を経たとき:2分の1 それ以外:3分の1 (最低10万円) | 経済的利益の額に応じて算定 審尋・口頭弁論を経たとき:2分の1 それ以外:3分の1 |
保全執行事件(申立後の手続に関する事件)は,その執行が重大または複雑なときに限り,保全命令申立事件とは別に着手金および報酬金(いずれも金額は申立事件に準ずる)を受けることができるものとします。
民事執行事件
民事執行に関する事件の報酬基準は,以下に示す表のとおりです。
種類 | 着手金(税別) | 報酬(税別) |
---|---|---|
民事執行事件 | 経済的利益の額に応じて算定された額の3分の1 (最低5万円) | 経済的利益の額に応じて算定された額の3分の1 |
執行停止事件 | 経済的利益の額に応じて算定された額の3分の1 | 事件が重大または複雑なとき,経済的利益の額に応じて算定された額の3分の1 |
行政手続事件
行政上の不服申立てや手続に関する事件の報酬基準は,以下に示す表のとおりです。
着手金(税別) | 報酬(税別) |
---|---|
経済的利益の額に応じて算定した額の2分の1 (最低10万円) | 経済的利益の額に応じて算定した額の2分の1 |
刑事事件
刑事事件に関する報酬基準は,以下に示す表のとおりです。
段階 | 内容 | 着手金(税別) | 報酬(税別) |
---|---|---|---|
起訴前 | 簡明な事件 | 15万円~30万円 | 不起訴:20万円~40万円 略式命令:10万円~30万円 |
その他の事件(否認事件等) | 20万円~ | 不起訴:20万円~40万円 略式命令:10万円~30万円 |
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起訴後 (裁判員非対象) | 簡明な事件 | 20万円~50万円 | 執行猶予:20万円~40万円 刑の減軽:10万円~30万円 |
その他の事件(否認事件等) | 30万円~ | 無罪:50万円~ 執行猶予:30万円~ 刑の減軽:10万円~ |
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加算事由 | (なし) | 保釈:5万円~ |
犯罪被害者支援事件
犯罪被害者への支援に関する事件の報酬基準は,以下に示す表のとおりです。
内容 | 着手金(税別) | 報酬(税別) |
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犯罪被害者参加(非裁判員事件) | 10万円~ | 10万円~ |
犯罪被害者参加(裁判員事件) | 20万円~ | 10万円~ |
告訴・告発(書類のみ) | 5万円~ | なし |
告訴・告発(提出含む) | 15万円~ | なし |
少年事件
少年事件に関する報酬基準は,以下に示す表のとおりです。
着手金(税別) | 報酬(税別) |
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30~50万円 | 30~50万円 |
手数料
各種手数料に関する報酬基準は,以下に示す表の通りです。
内容 | 手数料(税別) |
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着手前調査費用 | 5万円~ |
法律関係調査 | 5万円~20万円 |
契約書類作成 | 契約目的の経済的利益の額に応じて算定された額の3分の1 (最低10万円) |
内容証明郵便作成 | 3万円~ |
遺言書作成 | 10万円~ |
遺言執行 | 執行目的の経済的利益の額に応じて算定された額 |
時間制
弁護士は,依頼者との協議により,受任する事件等に関し,その弁護士報酬すべて又は特定の種類を時間制報酬とすることができます。
時間制報酬は,事件等の処理に要した時間(1時間単位で切り上げ)に対して1時間あたり金1万円以上とし,事件等の困難性や重大性などを考慮して具体的な金額を決定することとします。
弁護士は,弁護士報酬に時間制報酬が含まれる場合,予め依頼者から相当額を預かることができることとします。
経済的利益の計算方法
経済的利益の基礎値は,以下の表に従って求めます。
その基礎値に対して,紛争の実態に応じた修正(増減額)を行います。
経済的利益が算定できない場合,経済的利益は800万円であるとします。ただし,事件等の難易,軽重,業務の見込み作業量及び依頼者の受ける利益などを考慮して,適切な範囲で増減額することがあります。
項 | 対象 | 算定方法 |
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1 | 金銭債権 | 債権総額(利息および遅延損害金を含む)。 |
2 | 将来の債権 | 債権総額から中間利息を控除した額。 |
3 | 継続的給付債権 | 債権総額の10分の7の額。 期間不定のものは7年分の額。 |
4 | 賃料増減額請求事件 | 増減額分の7年分の額。 |
5 | 所有権 | 対象たる物の時価相当額。 |
6 | 占有権・地上権・永小作権・賃借権・使用借権 | 対象たる物の時価の2分の1の額。 その権利の時価が対象たる物の時価の2分の1の額を超えるときは,その権利の時価相当額。 |
7 | 建物についての所有権に関する事件 | 建物の時価相当額にその敷地の時価の3分の1の額を加算した額。 |
8 | 建物についての占有権・賃借権・使用借権に関する事件 | 建物の時価相当額にその敷地の時価の3分の1に,その敷地の時価の3分の1の額を加算した額。 |
9 | 地役権 | 承役地の時価の2分の1の額。 |
10 | 担保権 | 被担保債権額。 担保物の時価が債権額に達しないときは,担保物の時価相当額。 |
11 | 不動産についての登記手続請求事件(所有権・地上権・永小作権・地役権・賃借権・担保権等) | 5項,6項,9項,10項に準じた額。 |
12 | 詐害行為取消請求事件 | 取消請求債権額。 取消される法律行為の目的の価額が債権額に達しないときは,法律行為の目的の価額。 |
13 | 共有物分割請求事件 | 対象となる持分の時価の3分の1の額。 分割の対象となる財産の範囲または持分に争いのある部分については,争いの対象となる財産または持分の額。 |
14 | 遺産分割請求事件 | 対象となる相続分の時価相当額。 分割の対象となる財産の範囲およびその相続分について争いの無い部分については,その相続分の時価相当額の3分の1の額。 |
15 | 遺留分減殺請求事件 | 対象となる遺留分の時価相当額。 |
16 | 金銭債権についての民事執行事件 | 請求債権額。 執行対象物件の時価が債権額に達しないときは,執行対象物件の時価相当額。担保権設定,仮差押等の負担があるときは,その負担を考慮した時価相当額。 |
17 | 経済的利益の額を算定できない場合 | 金800万円。 |
経済的利益の額に応じた報酬の算定方法
報酬額が経済的利益の額に応じて定まるとき,以下の表を用いて標準額を定めます。
経済的利益の額 | 報酬額(税別) |
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~50万円 | 15% |
50万円~100万円 | 12%+1万5000円 |
100万円~300万円 | 10%+3万5000円 |
300万円~500万円 | 8%+9万5000円 |
500万円~1000万円 | 7%+14万5000円 |
1000万円~5000万円 | 5%+34万5000円 |
5000万円~1億円 | 4%+84万5000円 |
1億円~10億円 | 3%+184万5000円 |
10億円~ | 2%+1184万5000円 |
基準額からの調整
調整の種類 | 調整の条件 |
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減額 | 紛争の実態が共通である複数の事件等を同時に受任するなど,執務量の減少が明らかであるとき,当初の見込みよりも執務量が大幅に減少したとき,本基準により定まる料金から減額することがあります。 |
増額 | 事件等が特に複雑であるなど,執務量の増大が明らかであるとき,当初の見込みよりも執務量が大幅に増大したとき,本基準により定まる料金から増額することがあります。 |
実費
事件処理中における実費の請求について
弁護士は,事件処理中,依頼者に対して,必要となることが予見される実費について,その前払いを請求することができます。
見込み実費について
印刷用紙など事務において一定の実費が必要になると見込まれる場合,必要となることが予見されるものの,具体的な金額が不明である実費について,適当な金額を着手金及び報酬に上乗せして請求することができます。
一般的な事件においては3300円(税込)とさせていただきます。
多数の資料を裁判所や相手方に提出しなければならない訴訟事件などにおいては,妥当な範囲で増額することがあります。
更新履歴
日付 | 内容 |
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2016年3月10日 | 公開。 |
2021年3月17日 | 税込表示に統一する変更を開始。 |
2021年8月31日 | 連続した事件の着手金について,後続事件の着手金に組み入れるのは先行事件の着手金の全額ではなく一部とすることもあるようにした。 |
2021年9月9日 | 経済的利益が算定できない場合について明記。 |
2021年9月10日 | 見込み実費の扱いについて明記。 |