以前の記事「duplicityでのバックアップ」にて,バックアップ用のソフトウェアであるduplicityを紹介しました。
duplicityは高機能ですが,それゆえに,オプションやコマンドを多数有しており,手軽に扱うことができるとは言いがたい状況でした。
その問題を解決してくれるのがduplyです。これは,duplicityのフロントエンドとして動作して,各種設定をひとつのファイルにまとめて記述することができたり,バックアップ前のチェック操作を行ってくれたりするものです。
duplyを使うことによって,設定をひとまとめにし,プロジェクト単位でバックアップを管理することが簡単になります。
duplyのインストール
パッケージが用意されているので,Homebrewで簡単にインストールすることができます。
$ brew install duply
duplyのセットアップ
duplyを使うには,プロファイルを作らなければなりません。
$ duply プロファイル名 create
ホームディレクトリの下に.duply/プロファイル名
というディレクトリが作成され,そこにconf
ファイルとexclude
ファイルが作成されます。
なお,root
で実行した場合には,/etc/duply
というディレクトリが作成されます。
プロファイルを作成した後は,conf
ファイルを編集してパスフレーズやバックアップディレクトリを設定します。パラメータの意味はコメントに記載されていますので,そちらを参照してください。
プロファイルにディレクトリのパスを指定することで,特定のディレクトリをプロファイルとして使用することができます。
duplyでのバックアップ
バックアップをするには,次のコマンドを実行します。
$ duply プロファイル名 backup
これで,conf
ファイルに記述された設定に基づいたバックアップが行われます。内部はduplicityですので,初回はフルバックアップ,次からは差分バックアップが行われます。
duplyでの復元
バックアップからの復元をするには,次のコマンドを実行します。
$ duply プロファイル名 restore 復元先
これで,最新の状態がバックアップから復元されます。
過去のバックアップの整理
振るいバックアップを削除するには,次のコマンドを実行します。
$ duply プロファイル名 purgeFull [残すフルバックアップの個数(1以上)] --force
$ duply プロファイル名 purgeIncr [残すフルバックアップの個数(1以上)] --force
差分バックアップは,フルバックアップに付随する形で残されます。
--force
オプションを指定しなかった場合は,削除する対象のバックアップが表示されるのみで,実際の削除は行われません。
まずは削除対象を調べて,確認した後に削除を実行するとよいでしょう。
削除される部分のみを取り出してバックアップしておきたいのですが,その方法は調査中です。