巷では、痴漢と間違われたら逃げろ、と言われています。

 この話は決して間違いではなく、そのまま駅員などに捕まると、12日間以上の長期身柄拘束コースに突入することになってしまいます。その不利益は計り知れないものがあります。
 また、捕まった人がどんなに反論しても、釈放されることはありません。そのため、「逃げた方がいい(逃げるしかない)」ということになるのです。

 しかし、このアドバイスは完全ではありません。完全版は、次のようになります。
「痴漢と間違われたら、逃げた方がいい。ただし、絶対に捕まってはならないし、身元がバレないようにしなければならない。」
 逃げ出して捕まった場合、問答無用で長期身柄拘束コースに突入です。

 では、捕まらないように逃げるには、どうしたらいいのでしょうか。
 そんな方法があるならば、教えてほしいくらいです。日頃からの鍛錬が必要です。
 が、痴漢冤罪に間違われた時のために逃げ足を鍛えるというのは、何か違うような気がします。途中で、違う犯罪に目覚めてしまうかもしれません。

 なので、痴漢と間違われないように気をつけるしかないように思います。
 電車では女性の近くにいないようにする、つり革をつかんだり、両手でスマホを持つなどする、などなど。
 何かおかしいのですが、いまの社会がこうなっているので、文句を言ったところですぐにどうにかなるものではありません。いまは、被害に遭わないよう、気をつけるしかないのです。

 それでも間違われてしまった場合。
 すぐにお近くの弁護士に相談してください。
 当事務所でも構いませんが、刑事被疑者事件は「時間との勝負」です。なるべくならば、逮捕された方のいる警察署に近いところ、ご家族や勤務先と近いところにある事務所の方が良いです。地理的な事情は、意外と大きいものなのです。警察から話を聞いたらすぐ、弁護士に相談してください。
 必ず釈放できるわけではありませんが、最大限の努力はします。
 警察や検察は、やや形式的に身柄拘束をします。この類型の事件では、事情にかかわらず勾留請求しよう、という姿勢があります。ですから、本来ならば身柄拘束などせず、在宅のまま捜査を進めることができるのに、留置所に入れてしまうというケースがあるのです。
このような場合に対処できるのは弁護士だけです。