VPN(Virtual Private Network)は,暗号化技術やパケットトンネリングといった技術を駆使して,インターネットを介してローカルネットワークに接続するという技術です。
 このVPNを使うと,たとえば外出先から職場のネットワークに接続し,職場に置かれたサーバー上のファイルやWikiなどを利用することができるようになります。その通信は暗号化されているため,他人から盗み見られるという心配はありません。

 弁護士の業務では,セキュリティ上,全案件のデータを持ち歩くわけにはいかないため(もし普段持ち歩いているノートパソコンなどに全データを入れている弁護士がこの記事を見ている場合,すぐにその運用は改めた方がよいでしょう!),事務所内のファイルサーバに保管しておくのが通常です。
 そして,事務所内のネットワークは外部からアクセスできないように遮断しておくのが通常ですから(適切な接続方法を使わずDMZでネットワーク内部のコンピュータを外部に公開している方がこの記事を見ている場合,即時にその設定は無効化してください!),出張先から過去のデータを参照しようと思ったら,事務所にいる人に問い合わせなければなりません。
 VPNを使えば,事務所の外からでも,内部ネットワークに安全に接続して,データを参照することができるようになります。

 具体的な使用例を紹介します。
 事務所外に出たときは,スマートフォンのテザリングでノートパソコンをインターネットに接続し,L2TPで(これはWindowsに標準で備わっています)事務所VPNに接続しています。これで,使っているノートパソコンが事務所のネットワークに直接接続されたような扱いになるので,ローカルで編集したデータをファイルサーバにコピーしたり,内部ネットワークで動いているWikiにアクセスして情報を書き込んだりしています。

 もっとも,VPNは暗号化技術を駆使して実現されているため,脆弱なパスワードを使っている場合など,設定が甘い場合には安全なものでなくなってしまいます。セキュリティを高めるため,最低限の手立ては怠らないようにしなければなりません。

 今回は概括的な話にとどめ,具体的な設定は次回以降に紹介したいと思います。