裁判長!ここは懲役4年でどうすか 1

 いろいろなコミックが出ていますが,法律や裁判を扱ったものが目に付くようになってきたと感じます。
 某アプリで配信されていたため読んでみたのですが,なかなか面白かったので紹介します。

 刑事裁判をしていると,常連の傍聴人を見かけることが多くあります。
 このコミックは,そのような傍聴人の立場から見た刑事裁判や民事裁判を題材にしています。
 そのため,被告人や弁護人,検察官の心情というものが書かれていません(主人公の想像という範囲では書かれていますけれど)。
 あくまで傍聴人という立場から事件を見聞きした印象というものを描いているので,とても強いライブ感があり,そのような意味で楽しめるのではないかと思います。

 ただ,構成の都合だと思いますが,現実の裁判とは異なる流れになっている場面もあります。
 たとえば,弁護人が被告人に質問をしている最中で,家族を呼んで証言してもらうというような場面があります。しかし,家族の証言が先行するような手続は,通常ありません。
 裁判は傍聴人のことを考えて構成されているわけではありません。裁判官は,前後が入れ替わるような順序で証拠調べが行われても,後で並びかえて把握し,判断を下しています。そのため,ひとつの話として構成しようとすると,構成を変更する必要が出てくるのだと思われます。

 他に気になった点として,やや下世話な話題が多いです。(とても気になる点だということは理解できますが・・・)
 そのようなことを目当てに傍聴に行くことは感心しませんね。裁判所の雰囲気はかなり厳粛なので,そもそも,楽しめないと思います。また,そのような事件はごくごくわずかです(たぶん)。

 裁判の傍聴が自由にできるということを知らない方は,意外と多いようです。
 学生が社会科見学で裁判所に来ていることもありますが,あれは特別な手続をしているわけではありません(裁判所の広報に連絡などしているのかもしれませんが)。
 どの裁判も一般に公開されていますので(家事などは原則非公開です),誰でも自由に法廷に入り,傍聴をすることができます。
 このコミックを読んだりして,興味が出てきたならば,一度傍聴してみると良いかもしれませんね。