ときどき見かけるのが,親戚が亡くなったけれども相続登記をしないまま何十年も経過してしまった,というケースです。子だくさんの家だったりすると,相続人が5人も6人も出てくることになります。また,その相続人が亡くなってしまっていたりすると,二次相続が発生して,相続人の数が一気に膨らんでしまいます。
 このような場合でも,登記の際には相続人全員分の戸籍が必要になります。また,亡くなった方がいれば,出生から死亡までのすべてが記載された戸籍を,亡くなった方それぞれについて用意しなければなりません。
 作業量が多いうえ,必ずどこかに確認ミスが出てしまう(これは人間が行う作業なので避けようがありません)ので,とても大変な仕事になります。
 誰かが亡くなった場合,早めに相続登記をしておいた方が良いと思います。あとに残された方々が苦労することになってしまいます。そして,時間が解決するものではなく,時間が経てば経つほど解決は遠のいてゆくのです。

 稀なケースとして,「戸籍を取ることができない」という場合があります。明治や大正生まれの方がいたりすると,当時の戸籍が戦争で焼失してしまっているなど,戸籍が存在していない場合があるのです。また,転入元の記載が不正確(地番が書かれていないなど)で,さかのぼることができないという場合もあります。
 だからといって,戸籍を取らなくてよいというわけではありません。しかし,取得そのものが不可能なので,どうしようもありません。
 このような場合,取ることのできる戸籍から分かる範囲以外に相続人がいないこと(あるいは誰々も相続人であること)の証明をしなければなりません。具体的には,相続人が他にいないこと,誰々が相続人であることを記載した書面に,相続人全員の署名押印をもらい,登記の申請とともに提出します。
 さらに具体的なことは,法務局で登記官に相談して確認すべきでしょう。これは事件ごとに対応が異なりますので,戸籍が取れないと分かったら,一通りの準備をした後,資料を持って不動産を管轄する法務局に相談するのが良いと思います。

次は,遺産分割協議書について書く予定です。