皆さんが法的な問題に直面したとき,まず最初に考えるのは「弁護士に相談しよう」ということであると思われます(そうであって欲しいです!)。
 その次に行うことは,法律相談の予約を取り付けることでしょう。それは,お近くの法律事務所かもしれませんし,行政や弁護士会が開催している法律相談会かもしれません。いずれにせよ,弁護士が相談を受け付けている場へ向かうこととなります。

 法律相談を日常的に受けているような方など,そうそういるものではありません。そのため,法律相談を受けるに際して,皆さんは色々な疑問を抱くことと思います。

「どんなことを話せばいいんだろう?」
「何を持って行けばいいんだろう?」
「費用はどれくらいかかるんだろう?」

 トラブルに巻き込まれたとき(引き起こしたとき),それが法的に正しいのか,間違っているのかということを書いた本は多くあります。しかし,そのトラブルを弁護士に相談するとき,そこでどのようなことが聞かれるのか,どのような準備をしていけばよいのか,ということを書いた本は,ほとんどないと思います。
 そこで,これからしばらく,弁護士の法律相談に臨むにあたって「どのような準備をしていけばよいのか」ということについて話していきたいと思います。

 弁護士の立場から言えば,時系列に並べた出来事であったり,登場人物やその相関関係であったり,準備していただきたい事項は数限りなくあります。
 ですが,それらの事項は弁護士が法律相談の中で聞き出していくことなので,必ずしも準備をしなければならないわけではありません。準備しておいた方が時間を有効に使うことができる,という程度です。
 ほとんどの場合,準備に時間をかけるよりも,まずは弁護士の法律相談を受けるべきです。その中で,どのような資料を用意すればよいのかが分かってきます。最終的には,その方が早かったりします。

 そこで,必要最低限,これがなければ相談が先に進まない,という準備事項を挙げるとすれば,それは「問題となっている出来事について知っている人を連れてくる」ことです。

 ほとんどの場合,問題の渦中にある本人が法律相談にいらっしゃいます。
 そのため,その方に事情を聞くことで,弁護士は,法的な問題の分析を進めて,解決方法の見通しを立てることができます。立証できないかもしれませんが,一応の方針は示すことができるわけです。
 しかし,ときどき,家族や友人など,周辺の関係者が法律相談にいらっしゃることがあります。
 この場合,その方に事情を聞いても,「私は関わっていないので知らない」「たぶんこれこれこうだと思う」などという返事になってしまい,弁護士は問題の分析もできなければ,今後の見通しを立てることもできません。そのため,法律相談を行った意味がなくなってしまいます。

 ですから,「問題となっている出来事について知っている人を連れてくる」というのは,とても重要な準備事項なのです。

 次回からは,特定の相談分野に絞って書いていきたいと思います。
[su_heading]すべての法律相談に必要な準備[/su_heading]
【必要最低限! これがないと始まらない】
 問題となっている出来事について,事情を熟知している人を連れて行くこと。
(問題の渦中にいる本人が行く場合は,それで十分です。)

【プラスアルファ。これがあれば相談がスムーズに】
・出来事を発生時期で並べた表
・登場人物の相関関係をまとめた図
・自分の主張(なんでもOK)を記載したもの