老親の貯金が突然他人の管理下に!?「成年後見制度」の大問題」(ダイヤモンド・オンライン)という記事を見かけて,弁護士後見人があたかも悪者であるかのように描かれていたので,ちょっと私見を申し述べておきたいと思います。

この記事では,認知症などで判断能力が欠如したとき,裁判所から成年後見人が選任されることがあり,その後見人が大した仕事もせず,財産を運用するなどして利殖するわけでもないのに,報酬として財産を持っていってしまう場面も生じるため,それが危険であるというようなことが説明されています(筆者の意図は別にあるのかもしれませんが,私にはこのように読めました)。

しかし,後見人は,被後見人の意思に反して財産を使うことはできません。被後見人に代わって財産を管理するのですから,たとえ家族であっても,困ったから財産を分けてほしい,と言われてホイホイ渡すわけにはいきません。
金融屋から見れば,ある程度の財産を何もせずに放っておくのは価値が下がっていくだけなのだからとんでもない,と思うのかもしれませんが,運用には必ずリスクが伴います。資産運用は誰がやってもよいわけではなく,被後見人本人が判断すべきもので,一身専属的な性質があると思われます。そのため,被後見人の同意なく,勝手に財産を減少させるような行為をすることはできないと考えられます。

報酬を持っていくのがおかしい,という話については,財産管理という業務を行っているのですから,その対価が支払われることに何ら問題はないはずです(金額を裁判所が適当に決めすぎている,ということであれば分かりますが…後見人をやるかもしれない立場からすれば批判できませんが(笑))。
これは,見る人の目線によって代わってくるので(例えば金融屋が見れば,財産を増やす努力もしないのに報酬が得られるのはおかしい,と感じるかもしれません。),何が正しいとは言いにくいところがありますね。